加護亜依は復活できるのか?

 昔なら間違いなく復活不能であっただろう。それは社会的制裁からの問題でなく、長期間芸能界を離れていれば間違いなくファンは別にお熱を上げるアイドルを見つけ、彼女は必要とされなくなるであろう。

ミーハーからヲタクへ

 しかし今のアイドルファンというのは、私が知っている80年代アイドルファンの気質と明らかに違う。私が知っている80年代はアイドルに夢中になっている少年たちは決してヲタクと言われず、ミーハーという言葉がよく使われた。もちろんオタクという言葉はこの頃からあったし、親衛隊など、今考えればオタク的な行動をする集団は存在していたが、この頃はアイドルというのがまだ世代間では共通文化であり得た時代であった。ミーハーと呼ばれた集団は特定のアイドルには余り執着せず、「明星」や「平凡」などを読み、この子かわいいじゃん程度の話をしていたである。
 アイドルの需要者であるミーハーは80年代後半から90年ぐらいでほぼ崩壊し、90年代はアイドルの需要者=ヲタクの時代に入った。この現象はアイドルに始まったものでなく、例えばプロレスが先にこの道を歩んでいる。プロレスも1980年代前半までは男の子たちの共通の話題であり得たミーハー領域の文化であったが、80年代後半以降は一部のヲタクのみが興味を持つヲタク領域に移行している。
 モーニング娘の「ラブマ時代」に一時ミーハー領域に回帰する現象が見られたが、すぐにヲタク領域に舞い戻り、現在ではすっかりヲタク文化の象徴になっている。
 ヲタク領域の需要者はミーハー領域の需要者に比べて執着心が強いのが特徴である。あまり移り気はなく、一つの対象物への思い入れが強い。なかなか加護亜依を忘れられず待ち続けるヲタが多いのではないか?トカゲの尻尾切りで他のハロメンへの影響を最小限に留めようという考えもできるが、ヲタの執念に恐れろ慄き、復帰させるやもとの予想も成り立つ。