丸激トーク・オン・ディマンドを見て

今回は民主党左派シンパと目される北大の山口二郎氏。この人はかつては小沢一郎には批判的だと見做されていたのだが……。

かつて小沢氏の強権的な手法を厳しく批判してきた山口二郎氏は、小沢氏
民主党代表就任を諸手を挙げて歓迎する。小沢氏のマキャベリスティックとも言え
政治哲学は、個々の政策に対するこだわりよりも、権力を得ることを何よりも最優
先するはずだと山口氏は考える。そして、そのためには民主党の政策は小泉路線との
差別化を図るためにも「イギリスブレア政権の第三の道に極めて近いものにならざる
を得ない」と山口氏は見るからだ。

 この意見は微妙だ。手段のために政治路線を変更するマキャベリストは、信念で改革を進める小泉より下劣だと一瞬考えてしまう。
 だが、日本においては「小さな政府」は手段に過ぎず、信念をもってまで「小さな政府であるべき」と言い切れる人がどれだけいるのか?
 今の国民が支持しているのは「財政支出削減」であって、政府は小さければ小さいほどいいという理念を持って支持している人は極めて少数であろう。本当に理念を信奉している人であれば、行政による監督などを強く求めず、国民や企業の自主的な社会的責任の全うを主張するはずであるが、そういう声はあまり聞こえてこない。
 結局、「小さな政府」が財政危機を乗り切るための手段に過ぎないのであれば、下手なこだわりを持って一つの政策に執着する政治家よりフレキシビリティーのある政治家がいいという考えも成り立つかも知れない。
 ブレアが第三の道というと聞こえはいいが、基本的にはサッチャリズムを継承した修正サッチャリズムであったように、今後誰が首相になろうと、小泉政治を継承した修正小泉政治になるような気がする。

自民党もそうした状況を先回りして、
あえて福田康夫氏や谷垣禎一財務相など小泉路線とは一線を画する候補者を立ててく
る可能性も否定できないため、状況は予断を許さない。

 それはどうかな?自民党はまだ余裕があるから、そこまでの非常手段は不要だと思うが。
 もっとも安部だろうが福田だろうが、マスコミが騒ぐほどの対立軸はできない気もするが。