出口のない海

 最近の先の大戦を題材にした邦画はほとんど見ているので、流れで観に行く。
 戦闘シーンは少なく、登場人物がクールな点が、最近の戦争映画の中で特異な感がする。士官学校兵学校を出た職業軍人と違った学徒出身兵を主人公とした点がそうさせているのであろう。
 この映画に関わった人の名前を見れば「反戦映画」と観た方がいいが、かつての反戦映画のような余計な説明や演出はないし、戦争の悲惨さを強調する「涙」は余り登場しない。もちろん戦士たちのヒロイズムもない。
 空腹感が残る人もいるだろうが、私はこの薄味がよかった。