マスコミの安倍内閣論功行賞批判の批判の批判

 安倍内閣を「論功行賞」と批判するのは少しお約束過ぎて、何ら試験にダメージを与えることもなく、ただ単に安倍支持派の不評を買っているようである。

安倍総理の閣僚起用は論功行賞か?
安倍総理の閣僚起用は論功行賞か?]谷垣やマスコミは安倍総理の人事は論功行賞だと批判しているが、ちょっと違うのではないか。志を同じくするから応援し、志を同じくするから起用したのではないのか。それを論功行賞としか見れないようでは、自分の甲羅に似せて穴を掘る蟹と同じ程度の人物と言われても仕方無い。

論功行賞は悪いのか
「友人や付き合っていた人をどんどん登用した」というのは、別に悪いことでもなんでもなく、むしろ当たり前のことではないでしょうか。

 確かに論功行賞人事はどこでも行われており、それをいちいち批判するのはおかしいという感覚はあるだろう。しかし私のような昔の自民党を見てきた人間には「論功行賞」を批判したくなる感覚は理解できる。
 今回の場合は特に、安倍独走が早い時期からわかっていた。それが故に今回の総裁選は結局、勝ち馬に乗りたいがための猟官運動で終わってしまった。これは最近の自民党の「論功行賞」と「信賞必罰」が恐怖心を掻き立て、党内議論の起きない大勢迎合集団に成り果てているからである。ある時点までは安倍vs福田でアジア戦略をめぐる議論を期待する向きもあった。ネットウヨ供は福田を盛り立てるマスコミをさんざん批判していたが、それはマスコミが親中、親韓だからという問題ではなく、明確なテーマを以って論戦になることを期待したからである。もちろん政治のニュース性を高め視聴率が欲しいという下心はあったであろうが、これは小泉劇場と同じく元来的には自民党にもマスコミにもプラスになる話であったはずだ*1
 残念ながら自民党は党内議論が起きない党になってしまったが、本来は政党間で、明確なテーマを以って議論が行われるのが議会制民主主義である。国会の会期中はとりあえず与野党の論戦に注目したい。議員数は多いが小さくまとまった自民党は攻めやすいか攻めにくいか微妙な存在である。民主党にはそろそろ成果を出してもらいたいものだ。

*1:私はもとっも自民党のPRに利用されているマスコミには批判的だが。