教育の自由化は必要か

 教育に限らず、「改革が必要か?」と言われれば必要だというに決まっている。世の中に、「現状が素晴らしい完成形だ」と言われるものがほとんど存在しない以上、そうに決まっている。
 ただ教育改革の具体的中身は曖昧なままで、教育を自由化せよというネオリベ的な言論と、戦後の自由化された教育が日本をダメにしたという保守的な言論が混在している。政治的にはだいぶネオリベ派と伝統的保守派の分離が明確になってきたが、ことに教育に関しては「エリート教育、もっと競争を!」という意見を言う人と復古的な教育を望む人の一致度が高く、自由にしたいのか制限したいのかよくわからないのである。
 私は「底辺校の役割こそ重要」という立場から、安部総理が提唱するような優秀な生徒が集まる学校に資源を傾斜させるバウチャー制度には反対だが、自由化自体は大いに賛成である。公立学校*1の中に、自由な校風の学校と規律を重視する学校を作り、親は教育方針に合わせて進む学校を選らばせればいい。どちらの学校がより優秀な人材を輩出できるか、実験するのも面白い。
 結果は、自由な校風の学校がより優秀な人材を輩出すると結果は半ば見えているのだが、かといってこちらのほうが優れているから学校は自由な校風にしましょうとする必要もない。いろいろな子供がいるのだから、少年院のような学校があってもいいではないか。

*1:今でも私立学校はこういう選択は可能だが