民主党の国会運営は政局感が欠如している。

  改正教育基本法:「成立阻止」の野党共闘が崩壊 改正教育基本法が成立した15日、「成立阻止」を掲げて野党4党が展開してきた国会共闘が土壇場で崩壊した。衆院での内閣不信任決議案提出では足並みをそろえたものの、参院では共産、社民両党だけで安倍晋三首相の問責決議案を提出。両党の呼びかけをかたくなに拒んだ民主党の対応は不自然さを否めない。一方、同法を本来の会期末15日に成立させながら会期を4日間延長した与党側の対応もわかりにくく、「会期延長に追い込んだ」と言えるように民主党のメンツを立てることで自民党も同法成立の実を取った構図。肝心の教育論戦を離れた「自・民もたれ合い」をも印象づけた。【平田崇浩】
 12/15毎日新聞

 確かに衆議院参議院で対応の分かれた民主党の対応はおかしい。ただ野党共闘を是とする毎日新聞の言説はいかがなものか。もちろん教育基本法改正反対に体を張ってほしいと考えている国民も一定数はいるが、与党案に近い対案を出している民主党にそれを期待するのはそもそも間違いであるし、そのような対案を出した以上、民主党はそのような世論とは一線を画し、また基本法を変えればすべてよし的な自民党とも一線を画し、「いじめ問題」や「学力問題」など本当に国民が議論を求めている具体論ややらせのミーティングなど、明らかに「美しくない」手法や無神経な税金の無駄遣いを糾す方向に舵を取るべきであった。
 また内閣不信任案提出の乱発は稚拙である。「否決されるのを分かっている議案提出は無駄!」という言い方は余りにも与党寄りで、与党圧倒多数の現況でそこまで口にするのはファッショなので言わないが、議案提出で世論を喚起したり、議論が深まるようなものでなければ、「無駄」と批判されても仕方ない。社民党の福島党首などは、こんなひどいタウンミーティングをやって内閣不信任は当然という鼻息であるが、もともとかなり支持率のある内閣であったのだから、多少の不祥事でもまだ高い支持を維持している。依然として高い支持率を維持している状態で不信任案を提出するのは、提出する側が相当のリスクを被ることを理解せねばならない。
 安倍内閣の支持率はまだもう少し下がる可能性がある。内閣不信任案は自民党内でずら、この内閣は長くないと後継問題が出てくるまで提出するのは控えるべきである。これは道理の問題というよりコテコテの政局感の話ではあるが。