いんちきネオリベラリスト注意報 企業に甘いだけ

最近の経団連の御手洗会長の発言といい安倍内閣経済財政諮問会議八代尚宏氏の発言といい、かなりおかしな発言が目立つ。これらは既にネオリベラリズムとは言えない、単に「企業に甘い」だけのまともな発言ではない。
 ネオリベラリズムの処方箋は確かに公的所得再分配機能を低下させるものだ。最高税率を下げ、法人税を下げるのがセオリーである。私は対処療法的特効薬としてのネオリベラリズムは否定しないが、持続的な国の繁栄はネオリベラリズムではできないことは多くの事例で証明されている。
 今の日本はネオリベラリズムを常備薬として金科玉条とするどころか、ネオリベラリズムを曲解し、企業に都合のいい国家運営に導く道具にしようとしている。ネオリベラリズムにおいて自由と責任は表裏一体もののであるが、個人に対しやたらと自己責任を唱えるネオリベラリストも、企業に対する社会的責任には至って無関心であるペテン師が多い。社会的責任感の欠如した経営者が相変わらず散漫な経営を行っているが、いんちきネオリベラリストがダメな経営者をはびこらせて日本をダメにしているのである。
 個人に対して愛国心を強要し国土に縛り付けようとするが、法人税を下げないと企業が海外に流出するとか、最高税率を下げないと高額所得者が海外に移住する*1とかいう煽りを平気でする。企業に対しては本社所在国や創業国への貢献を求めない。低所得者のみに愛国心を強要し高額所得者には愛国心を求めないというダブルスタンダードを平気で行う*2のがペテンネオリベラリストである。
 80年代以前を知る中年以上の保守系の方には、未だに庶民寄り弱者救済的な政策を左翼的だと躊躇する人が多い*3が、そろそろ目を覚ました方がいいのではないか。あなたが高額所得者で、現政権の高額所得者有利な税制を支持したいのであればそれで構わないが、自分が保守だからと言ってやせ我慢して企業優位、高額所得者優位の政治を支持する必要などないのである。

*1:実際に移住する日本人なんてごくわずかで本当に煽りに過ぎない

*2:具体的に言うと高市早苗大臣がこのダブルスタンダードを良く使う。真の愛国者であれば税金逃れで海外に移住する人間を徹底糾弾すべきであろう。

*3:若い保守の人は、既に社会主義を知らないので庶民寄り、弱者救済=左翼というバイアスは余りない