クリスマス処刑に想う

 日本で現時点で死刑廃止を論じる時期でないであろう。しかしクリスマスに処刑するのはいかがなものか。
そもそもなぜ未執行死刑囚が100名を超えながら、年間4人しか執行されないのか?どうも国際世論に配慮してのようだが、どうせ国際世論を気にせざるを得ないのであれば、クリスマスは避けるべきであった。
 ヨーロッパでは現在、イスラム教への不寛容な空気が蔓延している。西欧人の反イスラム言説でかならず槍玉に挙がるのが厳罰主義である。西欧の反多文化主義、不寛容主義もいかがなものかと思うし、キリスト教文明が正しいとは言わないが、日本も注意しないと異質論が飛びかねない。
 日本は20世紀初頭から非キリスト教国として先進国クラブの中で孤軍奮闘し、今日までうまくやってきたのである。今は「日本には西欧とは異なる価値観がある」とあまり異端性を突出させる時期ではない。