安倍政権は政治がでしゃばり過ぎ

 政府の教育再生会議野依良治座長)は9日までに、子育てや家庭教育の「あるべき姿」を示し、親に自覚を求める提言案をまとめた。母乳育児や子守歌の励行、テレビ視聴の制限、子どもの発達段階に応じた道徳教育の必要性などを打ち出したのが特徴。11日に合同分科会での協議を経て発表する予定だ。
 提言案は山谷えり子首相補佐官教育再生担当)が主導して一部有識者委員と作成。「当たり前のことを再確認することから教育再生をスタートさせなければならない」と狙いを強調しているが、政府として家庭の問題に「立ち入りすぎ」との疑問の声も出そうだ。
 具体的には、乳幼児の親に「子守歌を歌い、おっぱいをあげ、赤ちゃんの瞳をのぞいてください」、「授乳中や食事中はテレビをつけないように」と要請。
 同時に「乳幼児期には一緒に歌を歌ったり、本の読み聞かせを行い、小学生時代には今日の出来事を話しましょう」と、親子のふれあいも推奨。5/9共同通信

別に個別の提言自体間違っている提言とは言わないが、こういう提言をするのが政府の仕事なのであろうか?
いわゆる保守系の人たちがダメダメなのは、何でも政府にやらせようとすること。いわゆるサヨクの人たちは政治的影響力がないので、NPO団体を作って社会運動で主張を訴えるる手段を取るが、本来的にはこういうグラスルーツのやり方をまず考えるべきである。
「今の親の子育てがダメだ」と思っているのなら、意識の高い人が啓蒙団体を作り、協賛企業を探してまずは社会運動をやった方がいいと思う。もちろんやっている団体もあるのだが、保守の悪い癖で地道な運動よりすぐ政治に走る。
「母乳」「子守唄」「読書」「親子のふれあい」大いに結構だが、こういうのは社会運動で啓蒙すべき内容。なんでも政府、政府で政府の仕事を増やして、「大きな政府」を作りたいのだろうか安倍内閣は。穿った見方をすれば、民間でできる仕事を政府がやることによって、対等の立場で考え方を伝えるのではなく上から強制したいのではと考えてしまう。
国民の教化ばかり考えている安倍政権にはうんざりである。そんなものは主体的な民間の活動に任せて政府には企業を啓蒙してもらいたい。私の周囲にはまだ乳幼児の子供から離れて単身赴任しているお父さんが何人かいる。奥さんが仕事を辞めたら生活できないとか、祖父母のそばに住んでいないと子育てができないという理由で父親だけ単身赴任しているのである。
こんな紙切れ一枚で人を自由に動かせる企業社会こそ、健全な子育てを阻んでいる。父親の稼ぎだけでは殆どの人が生計を成り立たせることができない今の社会はどうなのか?むしろ教化すべきなのは国民より社員が子育てしやすい環境整備に対して無関心な企業ではなかろうか。財界べったりの安倍政権には期待すべくもないが…。