岡崎久彦の意見がまともに見えるのは世論が狂っているせいか?

 安倍の外交ブレーンである岡崎久彦の狂信に近いアングロサクソン信仰はかなりの違和感を覚え、こんな三流外交官が政権に強い影響力を与えているのは亡国だと常日頃思っているのだが、多少違和感はあるものの、産経新聞でまとものことを書いていた。

「南京」など歴史問題含め成果あった ≪日米関係への悪影響回避≫

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/51721/

    • 日米の政策通が一致していたのは、なるべく問題を小さく扱うことであった。

 →これは私も同意見。日本側が肯定側であれ否定側であれ、過剰反応するのは×

    • この状況は当初、日本では理解できなかった。中国の強力な反日プロパガンダの手が回っているのではないか、という憶測も流れた。しかし、次第に事情が分かってきた。これは全米の有権者の3分の1に近いといわれるエバンジェリカル(福音伝道派)が絶対的に主張する人権問題なのである。強制の有無などは問題ではない。慰安婦制度そのものが悪なのである。そして米国内では新聞を含めて何人もこれに抵抗できない。

 →未だに中国のプロパガンダと言っている輩はおめでたい。アメリカの保守主義において「人権」というのが重要な価値であるのは私も以前のエントリーで言及した通りである。

    • 人権問題は過去と現在を区別しない。しかも時代は変わっている。国連平和維持活動(PKO)の兵士たちの買春は処罰の対象となる時代である。PKOの兵士が、相手は強制された女性でないと言っても、他の軍はやっていると言っても何の意味もない。弁解がましいとして印象を悪くするだけである。

 →こういう主張をよくするのが産経新聞のワシントン駐在古森義久なのだが、産経紙上で産経記者批判か?


 岡崎氏は遊就館の英字説明書き換え事件以来、ネットウヨの評判はすこぶる悪く、ネットウヨ安倍離れに貢献している大変おめでたい方なのだが、この件でもネットウヨに叩かれている。

今日の産経新聞正論:謝ることを推奨する外交官なんて聞いたことないぞ

http://liveanddie.blog.shinobi.jp/Entry/145/
 所詮一井のネットウヨのブログに対し、どうこう言うのも難だが。
外交上「謝罪」というのは強力な武器である。まあ日本は謝罪カードを使いすぎ価値を下げてしまってきたのだが。この強力な武器を放棄して外交をやれというのは国益上マイナスでしかない。
 最近は「毅然とした態度」で「強硬姿勢」をとる方法以外を選択するな的な意見が目立つが、そんなのは現実外交ではあり得ない。たまには引き技を使うから攻めが生きるのである。引き技を行使すること自体を悪と言い放つ素人横綱審議委員と思考回路が似ている。