子どもの自主性の強調は学力向上を阻害するのか?

 毎日新聞に載っている八木秀次のコメントにいちいちケチを付けさせてもらう。

教育再生会議:揺らぐ「安倍カラー」の柱 第2次報告

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070602k0000m010178000c.html
 ▽八木秀次・高崎経済大教授(憲法学) 第2次報告が徳育の必要性を強調しているのは「豊かな情操と道徳心を培う」ことを目標に掲げている改正教育基本法の趣旨の具体化を図ったものということができる。学力向上のため、土曜授業も柱に据えられたが、子どもの自主性を強調してきた戦後民主主義的教育観そのものを変えないと、学力は向上しない。再生会議には第3次報告で、徳育文科省検定教科書のあり方など徳育に関してさらに充実した提言を期待する。

 全否定はしないが、肯定できない意見だ。
本当に学力が付くのは、自主的な学習意欲を持った生徒だけである。確かにすべての生徒に自主性を期待するのは大間違いだ。ある程度の層は、半ば強制的に学習させて、学力を付けないといけないだろう。
 日本の高度成長は、層の厚い中庸な学力層が担ったのは紛れもない事実。その程度の層であれば、受験監獄のような学校で強制的に学習さても育つであろうが、新に世界をリードする国家の担い手がこのような環境で育つとはとうてい思えない。やはり自主性を育むことこそ重要なのではないか。