読売新聞と産経新聞

私は新聞は中立公正であるべき等とはさらさら思っていない。海外のメディアは政治的立ち居地や支持政党を明確化するのが普通で、日本の新聞もある程度立ち居地が明確な割には中立公正のフリをしているのが偽善的で鼻につく。
 読売新聞というのは、保守的で自民党寄りであるのは一向に構わないと思う。ただ支持政党の愛し方が間違っていて、最近の読売新聞は安部内閣自民党の擁護が自己目的化した稚拙な論調が目立つ。マスコミは支持政党が体たらくな時は愛するが故に精神注入棒でぶったたくような切れ味の論調を張るべきだと思う。今の読売新聞は「うちの子は悪くありません」と学校に苦情を言いにいくバカ親並の低レベルだと思う。

11/28付 [復党問題]「これで一応の区切りはついた」

    • 郵政造反議員の復党を「無所属でいるのが不自然」と肯定する社説

5/28 松岡農相自殺 悲惨な死が促す政治の信頼回復

5/30 党首討論に関する記事

    • 年金記録漏れは、国民にとって切実な問題だ。だが、選挙の争点になじむだろうか。党首討論は本来、国家の基本問題を論じる場だ。年金問題より憲法問題との主張

 安倍政権や自民党に喝を入れるような論調は見当たらない。
 むしろ産経新聞の方が安倍内閣自民党がだらしない時は喝を入れるような記事を書く。政権擁護が自己目的化した阿比留瑠比記者のような電波もいるが、ナベツネが御在して民主集中制の敷かれている読売より、バラバラ感がある分面白い。
 年金問題を最も熱心に取り上げたのは実は産経新聞夕刊フジだ。民主党長妻昭議員の一連の年金問題追求記事を毎月掲載して、年金問題を世論に喚起するのに大きな役割を果たした。
http://naga.tv/masscomm/index.html
 長妻昭社会保険庁のデタラメさを切る内容は痛快で、同じ産経で阿比留瑠比が安倍擁護のために自民党アジビラを引用して民主党=公務員の味方という印象操作に加担した記事(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/181205/)より全然面白い。前者の記事を見ると、安倍政権以降官僚依存に回帰し官僚に甘くなった自民党に物足りなくなり、自民党や阿比留記者のネガキャンが無力に感じてしまうのだが、阿比留記者は夕刊フジのことをどう思っているのか?このチグハグさが産経の面白いところだ。
 このコラムは自民党平沢勝栄議員、野田聖子議員と民主党野田佳彦議員が執筆していて、産経的主張を流すというより政治的に面白いことを書いてくれる人で人選されている。産経新聞、正論など不採算のイデオロギー部門を、フジテレビや夕刊フジ等のミーハー部分の収益で補填するというのがフジサンケイグループの面白いところだ。いくら正論でガチガチの保守文化人が道徳だ規範だと言っても、フジテレビで下品な番組を垂れ流して金儲けしているから正論が発行できるというパラドックスが見え透いているから憎めない。
 阿比留氏にも読売にも言えるが、今は本来なら官僚に依存し官僚に甘く、すっかり改革政党の色が褪せてしまった安倍自民党に喝を入れる論を張るべきでないか?民主党は既に自らの支持母体を叩いており、自らの支持母体である特定郵便局を叩いた小泉時代自民党のように支持される可能性が高く、これ以上民主党=労組のレッテル張りをやっても効果はない。
 ところが読売のアホさ加減は深刻だ。4月12日の社説では政府の人材バンク法案を批判。しかも自民党よりも更に官僚側の立場から批判したのだ。

 現状では官僚擁護度は 民主党自民党<読売新聞 だ。もう読売は自民党の中の守旧派と同巣と見た方がいい。