もしかして安倍晋三は天然なのでは?

 もしかしたら天然なのではないか?
 強かな官僚とグルの族議員たちによってすっかり骨抜きにされた法案を、側近(保守的価値観の復古に関して安倍晋三シンパであるが、反構造改革派の古い自民党的価値観の者)に「これで真の改革ができます」と信じ込まされ、鵜呑みにしている。最近そんな気がしてならない。
 本人には議論を単純化して国民を騙そうなどという悪意がなく、むしろ自分が騙されていて、国民の方が賢くて「そんな馬鹿な話はあるか」と違和感を露呈している。そんな感じすら感じる。


安倍総理は6/21発行のメールマガジンでこんなことを言っている。
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0621.html

「民間はリストラを断行し、生き残りをかけた努力をしてきたが、公務員だけが、誰も責任が問われることなく時期がくれば昇格する古いシステムを温存してきた」
「公務員を全員定年まで働かせる」と唱え、いたずらに官の肥大化につながるような案もありますが、それでは本末転倒です。

結局、公務員の早期退職勧告と天下りがセットとなった現行のキャリア官僚の慣習を温存することに対し、極めてチープなロジックで正当化しているのだが、これも首相がバカな国民を騙そうと思っているより、首相自身が官僚の骨抜きロジックを鵜呑みにしているような気がしてならない。


当初の与党合意では、「採用から退職までの公務員の人事制度全般」の改革論議を進めるという話であったはずだ。
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/20070524nea5o000_24.html
 その中で、退職勧告制度を見直し、専門職としてキャリア官僚を残すような制度も検討されたはずなのだが、どこかで消されてしまった。結局、今後も同期が局長になったら、なれなかった同期は退職し、事務次官に昇進したら、それ以外の同期は退職する敢行が今後も継続されるのである。
 これによって今後も大量の官僚が天下るためのポストを今後も維持せねばならず、そのために特殊法人が維持される愚行が繰り返される。
 この改革を賛美する人はどこにいるのだろうか?恐らく骨抜きにできて安堵しているキャリア官僚だけではないか?