権力内の売国奴に足を引っ張られて沈没する安倍政権

 昔から閣僚の失言は珍しくないが、最近は世論がずいぶん甘くなったなぁと思っている。
柳沢厚労相の「生む機械」発言にしても、結局最後の方はネット世論は「野党が揚げ足取りをしている」という野党批判の方が優勢になり、安倍政権へのダメージは限定的であった。
 昔は近隣アジア諸国を刺激するよな発言をするだけで閣僚のクビが飛んだが、今はクビどころか、ネット上ではGJの拍手喝采の意見で賑わうくらいだ。
 安倍内閣の支持率がここまで下がっているのであれば、むしろ近隣アジアを刺激するような挑発的発言をした方が、コアな右派の自民党に対するコミットメントが高まるパラドックスさえ考えられるくらいだ。
 ところが久間防衛相の原爆容認発言はどうにもならない。あの発言は右翼であろうが左翼であろうが、ノンポリであろうが普通は怒る。擁護するとしたら魂をアメリカに売り渡したような媚米主義者くらいで、日本の総人口の10%もいないであろう。
 政府与党を批判する人を無条件に反日売国奴だと断定するような稚拙なネットウヨもこの発言には困ったであろう。久間防衛相を批判する人を反日売国奴だと罵るのは余りにも矛盾しているからである。それでもまだ「言葉狩りだ!」と久間擁護で頑張っている媚権派ブロガーもいるが、ご苦労である。
 最近の売国奴は閣僚だったり、公安関係者だったり、自衛官だったり、権力側の立場の人間が目立つ。安倍総理のような戦う保守主義者が守勢に回り、反撃できないまま時間ばかりが過ぎてゆく。