清和会内閣の弱さ

 自民党小泉時代に派閥均衡政治を捨て、清和会主導体制に大きく舵を切った。安倍内閣において17閣僚中清和会から5閣僚、古賀派から4閣僚を占め、かつての経世会津島派からの入閣はなし。山崎派の1閣僚のみの入閣である。
 このような人事の非均衡が小泉内閣から続いているため、津島派山崎派には相当な不満が蓄積している。それでも問題が顕在化しなかったのは、小泉-安倍時代と高い内閣支持率が続き、官よりまず当選が重要な議員にとっては、不満があっても人気の高い政権を支持しておいた方が得策との計算が働いた。
 しかし安部内閣の支持率低下で、敢えてその政権を支持する意味を失った。非主流派閥の議員にとっては、いっそのこと参院選自民党が敗北し、安倍内閣が退陣し、清和会支配を終焉させた方がいいとの打算も働く。
 ただ同時に、今回の改選議員の中に津島派の候補者が多いというパラドックスも抱える。

 田村候補の不平は清和会支配に対する鬱積したものであろう。組織というのは弱った時ほど、足を引っ張り合い、より弱体化の道に陥るものである。