参院選は政権選択の選挙だと言ったり言わなかったり

 与党議員の発言のブレが大きい。参院選を政権選択の選挙だと言ったり、言わなかったり。
 7月前半までは「政権選択」とか「党首力の勝負だ」と言った発言が与党内に多かった。実は「政権選択」という命題を持ち出すと、通常与党有利になる。例え与党に不満があっても、政権の安定を欲する有権者、政局による混乱を嫌う有権者が一定数いるために、与党はそう大きく崩れない。ただ参議院選挙は現実的には政権選択の選挙でないために、有権者が思い切った投票行動に出やすく、選挙結果が極端にブレやすい。
 「政権選択」というキーワードを持ち出したり、政局不安を煽ることで与党有利に運びたいという魂胆であったのであろう。
 ところが、選挙戦中盤以降、与党の不利が明らかになってくると、「政権選択」とか「党首力」という発言にリスクが伴ってきた。「政権選択」と叫んでおきながら実際に選挙で負けた場合、政権を失う訳ではないのに、与党が選択されなかったことを認めなければならなくなり、早期の総選挙を求める世論を喚起しかねない。選挙戦中盤以降、このような発言はなっきりなくなり、聞こえるのは敗戦処理と予防線を張る意見ばかりである。