安倍首相辞意。

 昨日『もう麻生選挙管理内閣発足直後解散しか道が残されていないのでは?』というタイトルでエントリーしたばかりなのに、もう安倍総理は辞意を表明した。拍子抜けである。
 しかし辞める時期としては最悪に近い。内閣改造直後の国会での所信表明演説の直後である。これでは確実に「逃げた」という印象を与えるであろう。前任者にこんな辞め方をされたら、自民党の次期総裁に誰が選ばれようともマイナスのスタートになる。
 私がインド洋で自衛隊が給油活動を行える法律が参議院で否決された直後の安倍総理辞任が自民党にとってベターと考えたのは、批判こそあれ、根強い親米主義者や国際協調や政治の安定をことさら重視する経営者、ビジネスエリート、個人投資家等、コアな保守層の強い支持が自民党に集まると考えたからだ。こんな辞め方をしたら、自民党そのものへの期待が希薄になってゆく。
 次の総理はいずれにせよ、立ち位置を絞ってゆかなければならないであろう。小泉時代から安倍政権前半のように新自由主義者と伝統回帰右派の期待をともに集めるようなスタンスを取るのは不可能である。立ち位置が明確になることにより、不満分子が炙り出され、自民党が解体することも十分に考えられる。