話題を提供したもの勝ちの政治状況が日本をダメにする

 第22代自民党総裁福田康夫氏が選出された。明日首班指名されて第91代内閣総理大臣となる。
すぐにマスコミ各社の世論調査が実施されるが、内閣支持率安倍内閣発足直後に遠く及ばないが、直近の安倍改造内閣の支持率からは大きく跳ね上がり、併せて民主党と同水準まで落ちていた自民党の支持率も回復するであろう。
 明らかに怪我の功名だ。自らの内閣の総理が国会会期中に職を投げ出し、突然辞任となれば、本来自民党に大きなペナルティーになるはずだが、結果的に利しているのである。マスコミがほぼ2週間、自民党内部の動きのみを報道し、自民党の宣伝を無料で行っているのであるから当然である。
 ただこれはマスコミが自民党寄りという訳でもなく、民主党がメール問題で前原前代表が辞任に追い込まれた時も同じ現象が見られた。本来なら国民にこの政党は見捨てられてもおかしくない状況下で党首選を行い、それ程ビッグニュースとも思えない渡部恒三氏の国対委員長起用をマスコミは大々的に取り上げ「黄門様」のニックネームを付け、短期間に支持率を回復し、敗北必死と言われた補選に勝利した。
 ようは例えネガティブな問題であっても、マスコミにより多くの話題を提供した政党が有利になるというのが今の日本なのである。よく考えれば芸能界も同じだ。例えスキャンダルであってもワイドショーで名前の出る芸能人が結果的に得をする。
 結局、小泉時代に顕著になった政治のワイドショー化から何ら脱却していないのである。バカな政治ショーを無視してマスコミ的にはつまならい政策の中身を中心に議論してゆかないと、いい加減ダメだって気付かないのか?