沖縄戦記述に関する教科書問題で原田義昭議員のブログが荒れている件

 自民党原田義昭衆議院議員のブログが荒れている。この人のブログは「富田メモ」の時も荒れていて、話題にした。→id:kechack:20060810

 ネットウヨ(イナゴ)が大量に寄り付きました。内容は大雑把に要約するとこんな感じ。

  • 動員人数捏造 11万人→4万人の話。(世界日報産経新聞のネタ)
  • 軍の強制がなかったのは史実だ。それを感情論で曲げるのは検定者への侮辱だ。
  • 戦争被害は沖縄だけでない。なのに、沖縄だけヒステリックだ。
  • 集団自決・玉砕は外地で多くみられた。それらはみな軍命なのか?当時の日本人として当然の行為だったのでは?
  • 今回の問題は日本軍を悪者にしたい勢力の画策である。
  • 沖縄の気持ちを重視するのは結構ですが、では「日本人全体の気持ち」はどうなるのでしょうか?
  • 戸井田議員のブログを読んで。→教科書検定の基準は真実か否かだ。

 言葉尻を見ると、もっと酷い印象を受ける。暇な人はご覧あれ。かなり低レベルで酷い。
今回の沖縄戦に関する教科書検定問題では、ブログは敷居が高いのか、右派ブロガーのエントリーは活発ではなかった。むしろ無責任なホンネを放屁できる匿名掲示板やコメント欄での活動が盛んのようだ。


それに対し、原田議員が大量のコメントに対するレスポンスがあった。

 ブログの特徴として、左右の極端な意見が拡張されて露見される。政治家ブログは下手すれば、そういった極端な意見で賑わい、政治家はそれを民意と勘違いしてしまうリスクがある。原田議員は冷静にそれらをあしらったと言えよう。それでも、このエントリーに対するネットイナゴの寄生が続くのだが…
 原田議員を過小評価するつもりはないが、福岡県選出議員が左ウィングを重視するのはそれなりの理由がある。原田議員のボスでありかつてタカ派と言われた山崎拓議員が親中派の筆頭格と言われているのも、日本遺族会元会長の古賀誠A級戦犯分祀に熱心なのも。麻生太郎が唯一の例外。かれは選挙に強いから。
 福岡県は比例区での公明党の得票率が17.9%と大阪府に次ぐ*1超公明王国なのだ。対する自民党の得票率は25.3%しかないのである。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin21/xls/sangiin21_3_5.xls
 福岡県の自民党議員は公明党の支援によって命運を決定づけられていると言っても過言ではない。別の見方をすれば、ネット上での意見が「少数意見」であることを認識できるだけの「比較的多数意見」を常に意識する環境にあるために、現実にある少数意見であると相対化できるのであろう。

*1:純粋な公明票以外に自民党が選挙区支援の見返りに回した表も含まれるが