小沢一郎騒動について

 小沢一郎と信憑性の低いマスコミのガセネタに振り回されたここ数日だ。結局小沢一郎がまたもやへそを曲げてわがままを言っただけではないか。民主党にダメージとか小沢一郎の求心力低下とマスコミは言うが本当か?ここ数日、政権与党の動向を放ったらかしにして野党である民主党の動向ばかりが報道されているのである。普段はマスコミに取り上げられない民主党の議員が挙ってテレビに出演しジャックして名前を売っている。一時的には民主党にはダメージかも知れないが、これは無料宣伝で、最終的には民主党にも利があるのではないか?
 安倍辞任騒動で、あれだけ党首が酷い辞め方をしても、マスコミの無料宣伝活動で結局自民党が利した構図と同じではないか?
 また小沢一郎の求心力低下と言うが、この人は前科を数えたら限りなく、それでも20年以上も影響力のあるポジションを維持し続けている兵なのである。結局それ程のダメージを受けずにまた立場を回復するというお決まりのパターンが繰り返されるだけではないか!

マスコミも醜悪だった。

 マスコミ報道も酷かった。読売新聞の自作自演報道は言わずもがな。昨日あたりの小沢離党憶測報道は何の取材もしていない憶測報道に過ぎないことが露呈した。レベルの低い報道にも程がある。
 こんな報道をしている内はマスコミも小沢一郎にナメられて終わりだろう。

自民党支持者と野党支持者は違うが…

 自民党というのは金権腐敗で利権に塗れた酷い政党だ。しかし自民党を今でも支持している人は、それを承知で支持している。これだけマイナスな面があっても、それを補って余りあるメリットを感じて支持しているのである。
 だから、多少酷いスキャンダルがあっても支持が底堅く、ある一定水準以下には支持率が下がらない。「雨が降ろうが槍が降ろうが自民党を支持する層」が存在するのだ。
 野党は違う。にわか支持者が多く、ちょっとのダメージですぐに支持率を落とす。だから私が唱える「ネガティブなネタであろうがネタを提供したもの勝ち」という論理は民主党には通用しないという可能性は十分ある。
 ところが、小沢一郎というのは極めて自民党的というか、自民党以上に自民党的な政治家なのだ。彼は欠点だらけの人間で、人の言うことを余り聞かす、豪腕でわがままだ。しかし、それを承知で支持している人がいて、民主党代表というポディションを得ている。
 欠点を認識されずとにかく期待ばかりされているリーダーは、少しでも欠点を見せると徹底的ダメージになる。しかし小沢一郎は最初から欠点があるのを承知で担がれている人間であるので、その欠点が見事に露呈した今回のようなケースでも「またか」という話で、最初の期待が余りにも高かったので決定的ダメージを蒙った安倍晋三なことにはならない。小沢一郎は非常にずるい存在である。

なぜかトーンの低い小沢批判

 そうは言っても小沢一郎はいくぶん株を下げたのは確かだ。特に小沢一郎には元々懐疑的であった人たちは、今回声を大にして批判しているケースが散見される。小沢一郎懐疑論者も左派と右派に分断されていて、それぞれの反応は少し異なる。左派アンチ小沢派は、旧社会党支持者が多い。ただ彼らには旧社会党が小沢アレルギーの勢い余って小沢より自民党の方がマシだと言って自社さ政権成立を支持した苦いトラウマがあり、小沢批判もどこか歯切れが悪い。
 右派アンチ小沢派は多くの自民党支持者のことだが、もちろんポジショントークで小沢批判をしている人も多いのだが、小沢一郎が大連立に理解があるという展開になって却って批判しにくくなった面もある。本音では大連立に魅力を感じている小沢一郎民主党代表を続けてくれた方が自民党の執行部にとっては都合がいい訳であるから。
 マスコミについても同じだ。執拗に大連立と叫ぶ読売新聞。自民党支持だが福田政権には距離を置く産経も、単純に小沢一郎を叩けばいいという状況ではなくなった。逆に反自民の朝日、毎日も小沢一郎を叩いて自民党に利するような報道はしたくないから、叩くにせよ言葉を選ばなければならない。私は小沢一郎を過大評価する気はまるでないが、今のマスコミが余りにも低レベルなので、小沢一郎を確りと批判する力量がない*1のだと思う。
 今回の件で小沢一郎が得をしたとまでは言い切れないが、あらゆる立場にせよ、彼を批判するのが面倒になったのは確かだ。

*1:その意味ではマスコミは小泉も批判できなかた。