ミシュラン

 ミシュランガイド東京版が発売になった。ここに掲載されている店の平均客単価は約2万円。高嶺の花で庶民には関係ないという感想を耳にする。
 ただそうであろうか、日本では庶民的な居酒屋でも3000円程度はするので、せいぜい7倍程度だ。
 アジアの多くの国では、日本の1/10以下の庶民的料理店がある一方、高級店は日本のそれと大差がない。庶民的な店と高級店には100倍近い開きがある。
 日本の高級店の客単価とて、低賃金労働者の月給を上回ることはない。アジアの高級店は、低賃金動労者の月給の何倍もの価格である。
 私は、別に渡部昇一のようなバカ保守の如く、日本の格差はたいしたことない、もっと格差があっていいと言いたいのではない。グローバル化の進展によって、日本もアジア諸国のように低価格品と高級品の価格が極端に分離する二重経済化の懸念があるのである。
 庶民向けの料理も高級店もせいぜい7倍程度の差しかない今の日本の現状を大事にすべきであろうと思う。