保守派終結

 安部内閣崩壊と麻生太郎自民党総裁選敗北ですっかり元気のなくなった保守政治だが、少し動きが出てきた。最近の平沼赳夫中川昭一自民党政調会長が動き出した。

 新保守主義から真保守主義ですか? 結構ですが。
 必ずしも、一部サヨクブロガーが叫んでいるように安倍保守路線が嫌われて、参院選自民党が負けたとは思わないが、真保守と騒ぐ前に総括が必要だろう。まず、右にも左にも言えることだが、国民が自身の生活防衛に苦慮している時に、イデオロギーめいた話ばかりすること自体KYである。国民は右翼や左翼の思想を嫌うのでなく、得てしてそっち系の人が具体的かつ切迫した問題に無関心で空論を好むことに嫌悪感を示すのである。安倍前総理の支持率が下がったのもその為である。
 政治家がイデオロギー論議をするものいいが、やるべきことをやってからでなければならない。
 国民は本質的には保守主義を嫌っている訳ではない。むしろ最近は「右寄りの政治家の方が指導力がある」というのは定説であった。リベラル派は独断を嫌い、合議を重視するので、決断が遅い上にありきたりの答えしか出さない。独裁者と非難されても明確な答えを即断できる右派政治家へのシンパシーが高まったのが数年前の政治状況であった。ただ安倍前総理の政権投げ出しで、「右派政治家は指導力がある」という伝説が相当萎えてしまった事実も直視すべきであろう。
 ついでに言えば、中川勉強会のゲスト藤原正彦は微妙である。この人は経済保守と政治保守を分断した功労者だと私は評価している。この人は反小泉で、小泉-竹中政治で下品な経営者が続出したことを嘆き、小泉政権末期に保守派の小泉離れを喚起することに貢献した。
 ただ藤原正彦に賛同するのは、昔からの保守主義であろう。90年代以降に保守主義の洗礼を浴びた若い保守主義者はたいてい小泉が好きである。むしろ藤原正彦的な保守主義にピンと来ないのでは?
 一言保守言っても、考え方に結構幅があり、新自由主義に対する評価やアメリカとの距離感等で意見がまとまらないことも増えてくるであろう。

最高顧問 平沼赳夫
議長   島村宜伸
会長   中川昭一
会長代行 中曽根弘文
副会長  古屋圭司
     小此木八郎
幹事長  鴻池祥肇
幹事長代理 下村博文
副幹事長 山口泰明  世耕弘成
     今村雅弘  田村耕太郎
     西川京子
     近藤基彦
事務局長 衛藤晟一
事務局長代理 水野賢一
事務局次長 江藤拓  塚田一郎
      萩生田光一 西田昌司
      武藤容治 岸信夫
      古川禎久 秋元司
      戸井田徹
      馬渡龍治
      中山泰秀
監査   浅野勝人