やっとダメな政策を評価する人がいなくなった
「100点満点ではないが、一歩前進だから評価すべきだ。」
これは小泉時代、安倍時代に政権寄りのジャーナリストからよく出た言葉だ。小泉時代の猪瀬直樹が進めた道路公団改革や安倍時代に進めた「人材バンク」を目玉とした公務員制度改革がそれだ。もちろん多くのジャーナリストや野党は「骨抜き」と批判したが、政権支持ベクトルが強く、評価する意見に掻き消された。
福田内閣で渡辺行革相が進めた特殊法人改革に対しては「骨抜き」の声が圧倒的で、評価する声は少ない。
今回の場合、特に妥協が酷く成果に乏しいせいかもしれないが、以下の理由が考えられる。
- ちょこっと改革したことにして、大事な部分は温存する官僚の姑息さがいい加減にバレてきた。
- 福田総理は積極的なアンチもいない代わりに積極的な支持勢力もなく、擁護する論調が起こりにくい。
でもこれが普通の姿である。妙に人気のある指導者の政策は、中身がなくてもバカみたい評価されてしまう。人気アーティストの楽曲が駄作でもそこそこ売れるのと同じだ。
ダメな政策は評価しない。これが普通の姿である。