新自由主義者は空気を読んで方向転換せよ

 「まだ改革が足りない」という改革至上主義者の声を聞くと空しくなる。完全に世論から浮いているからである。新自由主義がなぜ急速に支持を失ったのかをよく理解していない。国民レベルから見れば、痛みに耐えても何もいいことがない、企業業績回復を先行させても労働者に配分されない、これでは改革の掛け声に騙されたと言われても仕方ない。最近では、企業が業績を回復させても従業員に配分せず、好景気が内需の拡大に結びついていないことも批判されるようになった。
 中間所得増を没落させ、内需が減退し、25年前の輸出依存の経済構造に先祖帰りさせたことは厳しく反省せねばならない。これでは今後も国際競争の労働ダンピングに晒され、国民所得はいつまでたっても回復しないであろう。
 現状では「改革」を叫んでも、呼応する国民は少ないであろう。新自由主義者国民所得への還元と、競争から弾かれ没落する低所得者をピックアップするセーフティーネットを積極的に求める方向に軌道修正しないと、存在そのものが危ない。原理主義的な新自由主義固執するなら、経済政策の選択肢の中から消滅せざるえ得なくなるであろう。