キャスティングボードを握る社民派

 意外かもしれないが、経済政策だけを見れば新自由主義と公共事業重視派が対極にあり、社会保障重視の社民派がキャスティングボードを握る形になっている。
 実はこの構図は90年代の日本で既にみられた現象だ。当時の社会党は、自民党から分離し新しい政治を目指す勢力と共闘したが、やがて新自由主義より古い自民党的な政策の方がまだマシだということでさきがけとともに非自民連立政権を離脱して自社さ連立政権を樹立した。
 この政権は野合と言われ評判がすこぶる悪いが、社民主義がキャスティングボードを握っていることを理解できれば、起こりうる現象と理解できる。
 結局、この後、社会党、さきがけともに崩壊するのだが、この中でやはり公共事業重視の古い保守より新自由主義と共闘した方がいいという第三の道志向の議員が終結したのが当時の民主党である。