新自由主義と社民主義の妥協の可能性 第三の道について

 社民主義については、昨日のエントリー(id:kechack:20080117)で言及したが、少し話しを端折り過ぎてしまった。まず三分律の説明をし、「新自由主義」と「公共工事重視派」の擁壁の高さを理解してもらってからの方がよかった。ただ新自由主義社民主義のどこに親和性があるのか、少し説明が足りなかったようだ。
 国民感情的には「税金の無駄遣い反対」「アンチ公共事業」という話になるが、まじめな経済政策レベルでは「新自由主義」と「社会福祉」を両立させる「第三の道」という政策が知られる。
 具体的にはイギリス労働党政権の政策で、サッチャー以降の新自由主義政策の行き過ぎによる弊害が顕著になり、保守党から労働党政権交代が起きたイギリスにおいて、その中でも新自由主義の成果として認められ国民に支持される政策が多く、ブレア政権は新自由主義路線の多くを引き継ぎながら、弊害部分を社会保障で補った。これがよく言われる「セーフティーネット」である。
 第三の道での格差是正は個別主義、個人対象が基本である。競争力を失った産業や企業を規制や補助金で守るといったことは嫌い、その部分では新自由主義的である。新自由主義は、個人レベルの格差是正策を求める社民主義側には妥協可能なのである。