道路問題で妥協は意味がない−朝日新聞のぬるさ−

 朝日新聞が世論誘導に近い強引な世論調査をやっている。

 自民党支持者であっても、本当に道路建設に拘って支持している人は少数だろうし、無党派層やリベラル層には、小泉−安倍時代の強引な国会運営の反省から、「与野党の話し合い」を由とする意見が強いのだろう。そんな空気の最小公倍数としてのこの結果は余り意味がない。  
 天木直人氏が以下の朝日新聞と読売新聞の社説を批判し、以下のように述べている。

 官僚支配と一体になった自公政権は、そのシステムを崩そうとする野党の主張を受け入れる事はない。議論で負けても譲らない。そもそも議論が成り立たないのだ。官僚として国会審議のカラクリを見てきた私はそう断言する。(中略)暫定税率が30年も続いているのはおかしいと言えば、あと10年は必要だと言い、ガソリン税を下げろと言えばその財源はどうするとやり返す。道路ばかりに予算を使うのはおかしいと言えば、必要な道路は造らねばならないと言う。特定道路財源の流用がばれれば、改めると頭を下げる。どんなに議論をしても深まる事はない。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/post_497.html

 昔から、与党が修正協議で野党の意見を取り入れることはあったが、与党案の骨格を崩すことなく、野党の意見を若干混ぜるに過ぎない。今回のケースでは、道路整備中期計画の目標を若干下方修正して、一般財源にする金額を若干増やす程度がせいぜい落としどころだろう。この程度の落としどころは、安倍内閣時代に戻った程度の意味でしかない。これでは、「民主党は何をやっているんだ。」ということになるであろう。
 方向感が全く異なる場合、そもそも修正協議になかなか馴染まない。
 これが自民党内の部会内であれば、方向感の異なった方針をなんとか折り合いをつけようとする。このような決着でまともな政策が出たためしがない。マスコミも大抵「玉虫色の決着」として非難でする。その典型が小泉内閣時代の道路公団改革ではないか?
 肝心の自民党は、小泉-安倍時代一般財源化を叫んでいた自称改革派は鳴りを潜め、そもそも自民党の部会の議論は期待できない。もはや、この問題は選挙の争点として白黒はっきりさせる以外ないのである。
 その意味で、野党が解散に追い込む戦略を立てるのは当然で、これを「政局」と言って批判するのは自公のポチである。政局を肯定する天木氏の感覚は正しい。むしろ朝日、毎日ですら政局批判している感覚を疑う。