初動危機管理体制に問題のある組織共通の特徴
海上自衛隊のイージス艦の漁船との衝突事故では、初動の遅れと連絡体制の不備が問題視されている。
- 危機管理に疑問の声・イージス艦衝突事故 2/20日経
- 防衛相への連絡90分後 事故第一報 体制見直し表明 2/19東京
- 首相が報告遅れを批判、防衛相は連絡体制の不備認める 2/19読売
- 石破防衛相が連絡遅れ批判 2/19産経
- 「防衛省は一体何をやっているんだ」2/19日刊スポーツ
初動が遅い、連絡体制不備に問題のある組織にはある特徴がある。できれば「すぐに救出して、問題がなかたことにしよう」という考えが暫くあったのではないか? うやむやにしようという発想は、危機管理が重視される現在ではあり得ない動作だ。
このように、未だに事故をうやむやにしようとする組織に原子力発電所がある。
両者に共通するのは、かつて存在そのものが政治的で、政争の具となってきたという点である。55年体制下では、自衛隊や原子力発電所に対する野党の追及は厳しく、マスコミも好意的でなかった。こういう環境下で、知られたくないネガティブな情報の多くが揉み消され、またこれらの組織に問題が起これば政府与党も激しく追求されるので、政府与党とこれらの組織の間にお仲間意識のようなものが存在した。
今は、自衛隊も原子力発電所も、廃止しようという勢力は弱体化。政府与党も昔のようにこれらの組織を仲間として特別扱いする必要もなくなった。当然、問題を隠蔽する必要もない。ただ組織内で昔ながらの惰性が働いているのではないか。「うちらは政府も特別扱いしてくれる組織だから。頼めば問題をうまく隠蔽してくれる」みたいな。