大臣が辞めなくなったな

 石破防衛相はまだ辞任しないようだ。別に辞任するのが最善なのかよくわからないし、大臣のクビを変えても何の解決策にもならないという意見も一理ある。ただ同時に居座るのが最善策なのかもわからないし、居座ることで福田内閣にとってプラスになることもないであろう。
 とかくマスコミは、閣僚が辞任に追い込まれるこ「○○内閣にとってダメージとなった。」と書くし、野党が大臣のクビ捕りを政局に利用してきたのも確かだ。しかし大臣が辞任に追い込まれないように守ることがダメージを食い止めるためのセオリーでないことも忘れてはならない。
 直近では、松岡農水相の自殺が思い出される。安倍前総理は最後まで松岡農水相を擁護し、辞任を求める野党やマスコミの要求を突っぱねた。結果に自殺したことにより、辞任の100倍以上のダメージを負った。
 安倍総理は与党の圧倒的多数を背景に、強気の政局運営を行うだけで、まったく政局感のない政治家であった。体重にモノを言わせえて相手を押すだけの力士を見ているようで、彼の政治はまったくつまらなかった。その意味では、福田総理には少し期待する部分があった。なにしろ福田総理は官房長官時代に年金未納問題で周囲が辞任する必要がないと言っていたのにもかかわらず辞任した。結果的に同じ問題を抱えていた当時の民主党の菅代表も辞任せざるを得なくなった。自らを犠牲にしてまで相手を倒すという、最近の政治家には見られない大胆な相撲を取ったのが記憶に新しいからだ。
 総理になってからの福田はまたくもってつまらない政治しかできていない。大臣のクビを守ることは、決して内閣にとってプラスとは限らない。クビを差し出して政局を好転させるという手法もあるということを多くの政治家は忘れてしまっている。

  • 覚悟の石破氏 かばう首相  『辞めて喜ぶのは防衛省』『組織改革が大事』3/1東京