道路特定財源 福田提案で事態はどうなる?

 私は道路特定財源問題に関して、特定財源を維持したまま道路建設促進を続ける与党案は最初から論外で、選択肢から外して、一般財源化中心の案と暫定税率廃止の案が対峙して初めて政治的議論が成立すると主張してきた。
 今回の福田総理の「平成19年度から一般財源化する」という発表で、事態は変わるのか?

 マスコミのほとんどが一般財源化を支持し、暫定税率廃止を余り支持していない。その意味で福田総理の提案によってはマスコミを民主党寄りのスタンスから与党寄りのスタンスに転換する可能性はある。
 しかし、どうも今回の福田総理の提案は与党内のコンセンサスを得ていないようだ。福田総理の指導力に疑問力が持たれている現況では、今後巻き返しをはかるであろう自民党の道路族議員に対して福田総理が指導力を発揮できるとはなかなか思えないのが多くの人の見解であろう。
 もしパフォーマンス政治家小泉純一郎だったら、わざと道路族議員を出汁に使っただろう。自民党道路族議員に好き放題言わせて置いた上で、その抵抗を押さえつけて一般財源化を唱えてマスコミ受けを狙う。大して新鮮味のない政策提言であっても、過剰に抵抗勢力に抗して調整したという演出すると、マスコミや国民は拍手喝采をする。大して改革とも言えない小泉時代道路公団改革が一部のマスコミに賛美されたのは記憶に新しい。
 福田総理に別にパフォーマンス等は期待していないが、最初から戦わないだろうこの人はという空気だけは伝わってくる。
 民主党次の一手を考えなければいけないだろう。マスコミや政治評論家には「暫定税率廃止には反対/一般財源化支持」という勢力が強いので、暫定税率に拘ることで批判に晒される機会が増えるであろう。毎日新聞は一貫して暫定税率廃止に反対し、暫定税率分も一般財源化する主張をしている。概ねマスコミの代表的な見解と言えよう。さっそくこんな社説を出している。

 毎日新聞は、民主党が話し合いを拒み、暫定税率廃止の主張を貫くと、批判を浴びせるであろう。
 とは言え、暫定税率廃止を期待する国民も相当数ある。ガソリン税はマイカー依存度の高い地方ほど負担が重いため、こられの税収が変な目的に使用されるとなると、地方の有権者の反発が強まる可能性がある。
 ここで安易に妥協して暫定税率廃止の看板を下ろせばそれはそれでまた強い批判に晒されるであろう。与党案があまりに酷かったので、一般財源化と暫定税率廃止の両論を混ぜた民主党案でも多くの支持が集まったが、自民党が本当に一般財源化でまとまるようなことがあれば、八方美人を止めてあるマスコミを敵に回すのを覚悟して暫定税率廃止を求めて徹底抗戦するか一部の有権者に失望あれるのを覚悟で暫定税率廃止をあきらめて一般財源化で自民党と折り合いをつけるか覚悟しなければならないだろう。
 もっとも、それ以前に福田総理が自民党内の道路族議員の抵抗にあって自滅する可能性も高いのだが…。//