ガソリン杯は福田・財務省連合の勝利か?

 道路特定財源の問題。どうも敗者は国土交通省と道路族のようだが、勝者は民主党でなく、財務省のようだ。福田総理も財務省と手を握り続ければ、このまま勝者になる形勢だ。
 財務省は最初から各省庁の持っている特定財源を召し上げて財務省管轄の一般財源に統一することが省の悲願で、これまで自民党族議員との力関係の中でできなかった。まず前半戦では民主党を利用し、国交省道路特定財源の酷い流用をリークするなど、国土交通省と道路族叩きを裏で操り、後半戦では民主党を切って福田総理とマスコミを利用し暫定税率維持&一般財源化を勝ち取ろうというものだ。
 今のところ、この作戦はうまく行っているようだ。新聞各社は気持ち悪いくらい足並みを揃えて暫定税率を維持した上で全額を一般財源化するのが是という論調で福田提案(財務省の隠し玉)を支持。暫定税率廃止を主張する民主党を批判し出した。
 ただ、このまま再議決まで進めるか。世論の動向が大きな鍵を握る。暫定税率を維持した上で全額を一般財源化するのが是という意見を支持する世論が40%以上あれば、与党で再議決してもそれほど大きな批判に晒されず、福田総理と財務省が勝ち抜けるであろう。ただ国土交通省と道路族も巻き返しを狙っている。一般財源になってもその中でいかに道路予算に振り向けるかという闘争をするであろう。一般財源とは名ばかりで引き続き道路建設にあてがわれるという話になると、再議決を容認する世論も萎え、抵抗感が増すであろう。
 新聞各社に裏切られた民主党は、現実の世論が頼りだ。一旦ガソリン価格が下がり出すと、暫定税率復活に対する抵抗感が生まれ、この税金が何に使われるのかという国民の関心が高まる。一般財源化すればOKという人はより、納めた税金が何に使われるのかよほど説得力のあるものが提示されない限り、暫定税率復活は納得しないという人が多ければ、福田総理&財務省ゴールキックを止めることができるかも知れない。
 時間間際で福田・財務省連合が勝ち抜けたように見えても、実際の勝敗はこれから1ヶ月間のロスタイムで決まるような気がする。