「過激な性教育批判」が盛り上がらないわけ

 ネット界は右派優位なので、右派と左派が対立する話になると、右派を支持するブログエントリーが乱立するものだが、これが話題が性の話になるとまったく盛り上がりに欠く。
 読売新聞などはカルト保守色を鮮明にし、右翼都議3名を支持する異例の社説を発表したが、右派ブロガーの反応はさっぱりである。普通、裁判で右寄りの人が負けようなものなら、ブログ会では裁判官批判が花盛りになるはずなのに…。
 実際には右傾化した若者にはエロに許容的である。若者だけに限ってみると、右派とエロ規制反対派とは親和性が高い。私もプライベートでは右寄りの友人が多いが、彼らの多くはエロい話が好きで、禁欲的な主張に雷同する思想は微塵もない。
 80年代以前、世の中がまだ左派優位だった時代から右寄りの運動をしていた人たちに限ってみれば、純潔教育貞操教育を支持し、「過激な性教育」バッシングを保守運動の重要な柱の一つだと考える人が多い。
 80年代以前に右傾化した人と、90年代以降に右傾化した人たちの間で、エロという壁によって断絶があるのではないか。