「いのちの道」という言葉の胡散臭さ

 なんか地方選出の自民党議員が異口同音に唱える「いのちの道」という言葉が気持悪い。なにかと「いのち」にこじつけて経済合理性を否定しようという行動はまるで左翼である。
 いくら道が整備されても、病院の医者がいなければどうにもならないし、病院に通うためのバスが廃止されたのではお話にならない。彼らが道路建設に掛ける情熱と同じくらい、地方の医師不足の解消や公共交通機関の維持に力を注いれば、医療や福祉に熱心な議員だという評価もできようが、そんなことはない。このあまりのバランスの悪さからして、彼らは道路を作りたいだけで人命を出汁に使っているという疑念を抱かれても止むを得ないのではなかろうか。
 だいたい道路が良くなって救急車の到着が早くなって助かる命は何人いるのか? 道幅が広くて飛ばせる道路の多い北海道や愛知県の交通事故死亡発生率が高い*1ことからして、広くでぶっ飛ばせる道ができることで死ぬ人間の方が多いのではないか?


*1:道が狭くて渋滞が頻発する東京都の交通事故死亡発生率は最も低い。