自公政権の維持が絶望的な状況が、民主党への更なる追い風に

 自公政権の維持が絶望的な状況が、民主党への更なる追い風になっている。
 もともと自民党を支持している人は、政権与党だから支持している人が少なくないので、下野確実な状況が遠心力として働き、負の連鎖が生まれる。そういった人たちは民主党とのパイプ作りを急いでいる訳だが、ただではパイプはできないので、そこで票が動くという訳だ。
 また市場関係者に元々は自民党に親和的な集団ではあるが、どうせ自民党が下野確実なら民主党が圧勝して安定政権が生まれたほうがいいという意見が散見されるようになった。社民党国民新党がキャスティングボードを握って影響力し、郵政の再国営化や安全保障政策での左傾化を嫌がっているからである。
 それにかつて小泉政権を支持してきた新自由主義寄りの識者も雷同し始めている。彼らは郵政選挙の時は徹底的に民主党を批判する側に回っていたが、2000年代初めは自民党民主党を両天秤にかけて、「どちらが改革に熱心か競わせる」という今の橋下知事のようなスタンスを取っていた人が多い。そういった勢力が、自民党の改革派が半ば失脚し、さりとて離党する気配もない状況で、民主党が再び新自由主義的な政策に回帰することに一途の望みをかけるようになってきている。
 また消費税アップを狙う勢力は、不安定な政権より強い政権を望む。不安定な政権は常に国民の人気取りを続けなければいけないので、いつまでたっても増税ができない。支持率の高い政権であれば、多少国民が嫌がる政策を実行する余裕が生まれる。
 例え今は消費税アップに消極的な民主党であっても、弱い自民党政権が続くよりは強い民主党政権ができた方が結果的に増税への近道ではないかという判断をし始めている。