保守派は前原大臣を敵視すべきか、エールを送るべきか?

 政権交代によってポリティカルな意思表示が難しくなっているようだ。小泉時代あるいは石原都政や橋下府政などを見る限り、保守派は自民党系の政治家によるトップダウン型のスピーディーな政治に拍手喝采し、カタルシスを共有していればよかったのだから。特に2000年以降に右傾化した若い保守派はこのスタイルに慣れ親しんでいる。
 特に八ッ場ダムの問題を見る限り、ポリティカルな意思表示ができないでいるブロガーも多い。
 この問題の切り口は3点に集約される。
1.自民党によるものか、民主党によるものか。
 -多くの人が、ここで判断を止めて思考停止している。
2.公共事業の役割を認めるか、罪悪視するか。
 -昔は公共事業を敵視するのは左翼マターと言われていたが、新自由主義が蔓延した後は、土建政治に批判的な保守派も増え、混乱している。
3.住民の意向を吸い上げて合意形成を重視するか、トップの決断力を支持するか。
 -一般的に保守主義者は政治家が力強いリーダーシップを発揮するスピーディーな政治を好む。一方リベラル派は住民本位の合意形成。時間がかっかってもボトムアップを重視する。


そもそもこの問題で右派か左派かというのはどうでもいい問題なのだが、ブロガーを始め日頃から政治に関心のある有権者は左右のポジショントークをやりたがるので、敢えて無意味な切り口で考えたい。
 多くの保守派は?で思考停止している。一部?の切り口で前原国交相を支持している保守派もいるが…。
でもこの問題は単純で、結論を言うと前原国交相は、小泉や橋下と同系統の合意形成よりトップダウンによるスピーディーな政治を是としている保守政治家だというお話だと思う。
 なぜか民主党政権ということで、保守派が本来支持したいのに適当に理由を探していちゃもんをつけようとし、左派は民主党政権ということで、本来警戒すべき強引な政治に無警戒になっているという現象が見られのだと思われる。