マスメディア:財務省マンセーの上部構造と政局大好きの下部構造

 昨今、新聞の社説を読んでも似たり寄ったり。かつてのような御用新聞、反権力の新聞というような色分けは、民主党政権下では益々色あせてきた。
 今日的には、マスメディア各社の中に、上部構造、下部構造が存在し、それぞれ別の動きをしていると見た方がいいのではないか?

上部構造

  • 政権が安定し、長期的な問題に確実に対応。国民に不人気な政策から逃げるな。

効果:メディアが政府から信頼され、経営者や論説委員が諮問機関の御用委員になれる。
担い手:マスコミ経営陣、論説委員、デスク(新聞社は上部構造が強い)

下部構造

  • 政治が面白くなることが是。政局や新党ブーム、政党の離合集散などを歓迎。

効果:有権者が政治に関心を持ち、政治番組の視聴率が上がる。新聞雑誌が売れる。
担い手:現場記者、社会部(テレビ局は下部構造が強い)

 今は、マスコミの上部構造が愚直に野田総理の消費税増税を後押しし、下部構造がつまらい野田政権を適当に批判しながら橋下維新ブームを待望している状況だろう。
 この上部構造と下部構造がいつも別の動きをしている訳ではない。小泉フィーバーの時は両者の利害が一致した。一致する前提として「国民が痛みを伴う改革を敢えて支持する」という条件が必要だ。
 橋下維新は、なんとなくみんなの党と共闘することが多いので、消費税増税反対派であるような期待が為されているがよくわからない。若し橋下市長が国政に転進し、消費税を上げると宣言したら、マスメディアは小泉以来の再び一枚岩になるだろう。
 上部構造も、参院選の時のように「政権与党の敗北で国民が消費税増税にNoと言った」というような総括をされたらゴメンとばかりに、支持率が低下し続ける野田政権に見切りを付けて、橋下担ぎを始めるだろう。