相次ぐ公共事業凍結解除と朝日新聞の批判

 朝日新聞は、整備新幹線へのGoサインに続き、高速道路の4車線化へのGoサインへ、おかんむりだ。どうも「コンクリートから人へ」という理念を貫徹して欲しいらしい。
同時に、消費税増税のためには、政府は徹底的な歳出削減をしているとアピールする必要があり、公共事業を復活しては、消費税増税への国民の支持は得られないと心配しているようだ。

整備新幹線―これで増税が通るのか

仮に、公共事業の削減を続け、「コンクリートから人へ」という理念を貫徹させるべきという考えの有権者が居ても、その民意の受け皿は見出しがたい。

自民党は、より公共事業復活に積極的だ。
森元総理は、大阪から北陸ルートを民主党政権がフリーゲージで整備しようとしている点を批判。あくまでフル規格での建設を主張している。

森元首相「民主の連中どうしたのか」新幹線延伸

党としても積極的な公共事業で民主党との違いをアピールしようとしている。
大阪維新の会も、歳出削減志向ではあるものの、リニア新幹線など大型インフラ整備には積極的である。

 朝日新聞の「公共事業=悪」というこだわりもちょっと粘着し過ぎのような気がする。もう少し個別に問題のある事業を指摘してもらいたいところ。この問題はシロ・クロの話ではなく、もう少し丁寧に事業を個別に見て評価すべき問題ではなかろうか。
 それに消費税増税と歳出削減を同時に行うと、景気へのストレスは相乗となり、景気腰折れリスクは非常に高くなる。この辺の問題認識も朝日新聞に問いたいところ。
 そもそも、民主党が「コンクリートから人へ」という単純な言葉で有権者を思考停止させてしまったのが悪い。公共事業を実施ありきでなく一度立ち止まって考えること自体悪くはないが、民主党のやり方は最初から「中止ありき」を期待する民意に過剰な期待を与えてしまっている。単純な言葉で有権者の心を掴む手法は政治の常套手段ではあるが、後始末は厄介だ。