「安倍辞めろコール」に対する違和感

集団的自衛権行使に関する憲法解釈変更が閣議決定された。このタイミングで各地でデモが行われ「安倍辞めろ!」というシュプレヒコールが叫ばれたようだ。ネット上でも「安倍辞めろ!」という書き込みが目立つ昨今である。
私も安倍政権はさらさら支持していないが、どうもこの「辞めろコール」には違和感を拭えない。彼らは、震災直後に「菅辞めろ!」コールをし、菅より脱原発色の弱い野田政権を招き、さらに原発再稼働問題で「野田辞めろ!」コールをし、今の安倍政権を招いたのだ。つまり逆サイドから政権批判をしていた勢力にまんまと利用されてきたのである。
今回も、「辞めろ、辞めろ」コールをして更に悪い政権成立を後押ししてきた反省がどこにも感じられないのだ。
彼らは、「安倍政権は最悪だ。これ以上最悪の政権が樹立することはあり得ない。」と言うかも知れないが、本当にそうだろうか?
確かに、安全保障政策や歴史認識では、安倍政権は戦後最右翼で、これより極端なリーダーは出てこないかも知れない。ただ財政政策ではどうか?この分野では安倍総理タカ派ではない。場合によっては、増税と歳出削減を同時進行させる極端な財政規律派のリーダーが出現する可能性はある。
「辞めろ!辞めろ!」は言いが、彼らには、本当にこれ以上最悪のリーダーが出現する可能性がないのか、自問しながらデモに参加したり、政権批判をしてもらいたい。