小選挙区導入後の自民党人材の硬直化

 また自民党に活力を与えていたのものに中選挙区制度と派閥がある。中選挙区時代は例えば4人区で自民党が2人当選できるような選挙区で、現職2名の派閥以外の派閥がもう1名候補者を立て、3人で2議席を争う構造ができた。その中で弱った現職が落選し新人が当選し結果的に新陳代謝が行われたり、自民党同士の競争により基礎票を底上げしたり、自民党に追い風が吹いている時は野党候補をけとらして3人当選したり、と自民党に活力を与えていた。
 しかし一見自民党に優位と思えた小選挙区制度は自民党の活力を奪った。自民党は現職優先の施策を取り、地盤の固定化が2世議員優位の状況を招いた。そして新陳代謝力の減退と議員の高齢化を招いたのであった。