日本の戦後モデル

 戦後の日本は1と2のハイブリッドであった。女性に低賃金労働を負わせながら、企業内で年功序列賃金を導入して低付加価値労働に対しても高賃金を支給してきたのである。女性は家庭内で扶養されるころによって格差不満が大きく表面化することはなかった*1。政府の低所得者優遇策はそれほど充実していた訳ではないから、戦後の日本は社民主義であったというのは間違いで、企業が社会的責任を負う*2ことによって再配分を実現していたのである。

*1:例外的に母子家庭などが日本モデルの被害者であった

*2:初期は労働運動の過激化や社会主義思想の蔓延を防ぐために単純労働者の高給化を進めた背景があったが