労働集約産業のジレンマ

 人手不足が深刻な業種の中で、運輸業や飲食、宿泊業はどうなるのか。これらの業種は典型的な労働集約産業であって、労働者の質以前に数の確保が不可欠な業種である。先ほど挙げた選別的待遇で人材を確保するスキームは成り立ちにくい。しかも価格競争は他の業種以上に熾烈であり、人件費アップしても価格に転嫁できず収益を圧迫するであろう、運輸業はすでに燃料費のアップを価格に転嫁できず苦しんでいるので深刻だ。
 過去の例から推測すると、価格が遅れて漸増するので、それまで体力を消耗させながら待つしかない。更に急激に自体が進行した場合。人手不足倒産→残存企業による寡占→値上げ というシナリオも予想できる。