有頂天ホテル

 最近観たい映画がなくてスクリーンから遠ざかっていたが、久々に映画を観に行く。
三谷映画はほとんど欠かさず観ているが、とにかくテンポの速い映画だ。前作「笑の大学」がけっこうまったりしていたのと比べると。9つの物語を同時進行させるという妙技を浸かっているのであるが、一つ一つの物語が極めてトリビアであるのがそれはそれで面白い。トリビアものも無理矢理集めれば面白くなるという花札コイコイのカスみたいなトリックだ。
 その中で三谷幸喜がよく書けているなと思った物語のトリビアなもを挙げてみる。

  • コールガール(篠原涼子)がひたすら携帯の着受けのクネクネダンスを人に見せびらかす。

 若い女性が、こういうネタみたいなものを人に見せたくてしょうがなくなることが多いという点がよく観察できている。得てして中年男性には理解できない行動であるが。

 自分がすべて罪を被って貸しを作るという選択肢は実社会ではあまりありません。現在の日本人のネゴシエーションスキルのレベルは低く、多く人間は勝つか負けるかというゲーム脳に感化されている中。こんな高度な選択肢は思い浮かびません。