幕下優勝の下田、十両昇進せず 番付編成会議

 日本相撲協会は24日、大相撲名古屋場所番付編成会議を開き、十両昇進者2人を発表した。新十両はモンゴル出身の龍皇=本名、エレヘムーオチル・サンチルボルド、宮城野部屋=で、再十両は上林=本名・上林義之、山形県鶴岡市出身、八角部屋夏場所幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏み、7戦全勝で幕下優勝した下田(22)は昇進しなかった。幕下15枚目以内の7戦全勝力士の十両昇進が見送られたのは初めて。
 同協会は、77年4月の理事会で「幕下15枚目以内の全勝力士は、翌場所の十両昇進の対象とする。ただし番付編成の都合による」という申し合わせがあり、これに従って審判部が番付を編成する。夏場所の成績では幕下に落ちる十両力士が2人で、東幕下筆頭で5勝2敗の上林が最優先で昇進。下田は西同で4勝3敗の龍皇との比較となった。放駒審判部長(元大関・魁傑)は「幕下15枚目格の全勝は、あくまで昇進の対象であって、最優先ではない。選考も場所によって違う。落ちる力士が多ければ、上がったかもしれない」と話した。
2006年5月24日(水) 毎日新聞

 下田は龍皇より優先順位が高いと思っていたので意外。過去に西幕下筆頭で4勝で昇進が見送られた例はあるし、東筆頭でさえ例がある。それに対し、15枚目で全勝で見送られた例がないからである。
 とは言っても下田はこの実力なら来場所負け越しはないであろうし、十両昇進は確実である。
 もっとも私は元々学生相撲出身者を15枚目格にする意味がよくわからない、幕下付出しで良いと思っている。幕下付出でも最速2場所で十両昇進が可能だし、プロへの修行期間として2場所くらい下積させたてちょうどいいと思う。それに学生相撲とプロの差は以前より開いている気もする。15枚目格デビューしても十両昇進に何年もかかったり、昇進してもすぐ幕下に陥落する力士が後をたたない。
 もう一つ私の私見だが、幕内と十両の定員にバッファーを設けた方がいいと思う。幕内定員は42±2名、十両も28±2名として、昇進条件を満たす力士がいる場合は臨時増員し、1枚残してギリギリ残留といったケースは容赦なく陥落させて臨時減にするような運用をすればいい。番付上の運・不運といったものがだいぶ解消されるであろう。