私の中のアイヒマン

 シネマ・アンジェリカで今日までの上映なので慌てて観に行く。
 こういうテーマの映画は好きだが、いかんせん難しすぎる。人間がサディズムに酔っている瞬間を演じることは、もう演技の範疇ではできないのではないか?
 こういう状態を演じるという設定では「光の雨」という映画を観たことがある。演技におけるサディズムが現実との境目を失うという点で似ているが、やはり劇中劇の中でこのテーマが完結してしまい、サディストとしての顔が演技以前に終わってしまっているという限界を感じる。