尼崎へ

 せっかく宝塚に来たので、昨日行きそびれた手塚治虫記念館に寄る。その後、大阪に行く予定なのだが、阪急宝塚線今津線もJR福知山線も乗ったことがあるので、第4ルートの阪神バスで大阪に向かうことに。バスは宝塚駅始発だが、すぐそばの歌劇場前バス停から乗り込む。
 阪神バスが宝塚に乗り入れているのを不思議に思っていたのだが、実は阪神バスの最大の幹線がこの宝塚線であったりする。かつて阪神電鉄は尼崎から宝塚まで鉄道線の免許を持っており、実現せぬまま予定地が道路に転用され兵庫県道42号線になったらしい。このバスは途中阪急電鉄、JRと交差するが、駅から離れたところを通るため、鉄道フィーダーの機能はなく、完全に宝塚と尼崎の二都市を結ぶものである。直通客も結構いるのだが、駅もない途中バス停から乗り、駅でもない途中バス停で降りる客も多い。東京の人間は、バスは鉄道駅に行くために利用するものという先入観があるが、この路線は京都市バスのように鉄道駅の存在とは全く関係なく客を運んでいるようだ。
 西大島で左折して国道2号線に入る。この辺は人口密度が非常に高い地域で、JRからも阪神の中間の微妙な市を走る。とは言ってもJRの駅にも阪神の駅にも1km程度の位置で、東京ならばみな駅まで歩く位置だ。しかしここは宝塚からのバスに加え、野田から甲子園に向かう阪神バスの路線、それに尼崎駅とJR立花駅を結ぶ尼崎市バス路線などが折り重なり、バスの利用者もかなり多い。
 国道2号線は昔は阪神国道線という路面電車が野田から東神戸までの間を走っていた。阪神電鉄は駅間距離も短く一見路面電車のような性格にも見えるが、尼崎市内は市街地を南側に避け、尼崎の商店街が密集しているエリアから離れて走っている。市内輸送を考えればこの国道を路面電車が走ることは意味のあることだった。今では国道を高頻度で運行される阪神バスがその役割を担っているようだ。