社会は暴力道場を求めている。〜応援団のいじめに見る〜

「+5、+10の法則」というのがある。就職市場において体育会出身者は大学の偏差値+5の、主将などを務めた者は+10の価値があるというものである。今でも大企業を中心に体育会信仰が根強く、就職の有利さを当て込んで体育会に入部する学生も少なくない。その中で応援団は就職偏差値の高い部の一つである。明大応援団のいじめが問題になっているが、企業はこのような前近代性、理不尽さ、鉄拳制裁上等的な部分も含めて応援団出身者を評価しているのである。なにしろ、企業など理不尽なことだらけで、それこそ前近代的である。いじめなど社会人になっても当たり前のように存在する。理不尽な社命や上司の要求にも応えられる忍耐強い人材が欲しいのである。
 東国原知事自民党の保守派議員が言うような、「若者を自衛隊に入れろ」的な意見も、理屈は同じである*1。理不尽な要求にも耐えうる強い人間の養生が主眼である。
明治大学は応援団の廃部を検討しているようだが、社会のニーズはそれ程変化していない。常に人間をボコボコにして鍛えるような環境へのニーズが存在し続けるのである。

*1:自衛隊では体罰は禁止されている